ナナイロのキセキ
その後、二人で近くのファミレスへと向かう。

ビジネス街なので、夜は空いていて結構穴場なのだ。

会える時間が限られてる分、近場でまったりしましょう!という

私の提案。

「高校生みたいだね」と坂下さんは笑う。

私もなんだか新鮮で、なんだかとてもウキウキした。

「お客さん、増えたんだよね。よかったな。」

二人分の料理が並ぶと、坂下さんはそう言って微笑む。

「はい。気持ち的には結構暗かったんですけど・・・。

仕事に打ち込もう!って、気合い入れたのがよかったのかなって。」

「そっか。がんばったんだね。」

「・・・はい。」

褒められて、ちょっと照れくさい気持ちになる。

「坂下さんはどうですか?新しい職場は。」

「うーん、そうだなあ・・・。

若い子が多いから、ジェネレーションギャップみたいなのはあるけど。

基本的にはみんな真面目だし、忙しいけどおもしろいかな。」

「そうですか。よかった。・・・女の子は、いないですか?」

最後にぼそっと付け加えると、坂下さんは笑う。

「うちの部署には一人だけ。彼氏もいるみたいだな。」

「あ、そうですか!」

彼氏がいるとの言葉に、私はわかりやすくほっとしてしまう。

「・・・ほんとに、牧野さんが心配してるほどモテないから

大丈夫だよ。」

「そうかなあ・・・。

働いてる姿とか、憧れる女子が現れる気がして・・・。」








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