ナナイロのキセキ
「その、合うか合わないかが気になるけど。好みってことだよね?」

「・・・まあ、相性というか、そうですね・・・。」

心配されるようなことはないけれど、そう言われると、

まあそうなのかなと思ってしまう。

私が考え込んでいると、ふうっと息をはいて、坂下さんが口を開く。

「・・・ちょっと心配だけど。

彼氏がいますっていうオーラ出しといて。」

「ええっ!?なんですかそれ・・・。」

坂下さんの言葉に、私は思わず笑ってしまう。

「・・・真剣なんだけど。」

「ごめんなさい・・・。でもなんか、意外で。」

「意外?」

「はい。ちょっと・・・かわいいかも。」

「!?かわいい!?」

「なんだろう・・・なんか、年下の男の子みたいでした。」

「・・・複雑だな。」

真顔で呟く坂下さん。

その姿は、やっぱりちょっと、かわいかった。



< 88 / 261 >

この作品をシェア

pagetop