私たち、政略結婚しています。


「…おもっ…」

ぼそっと呟くと克哉はようやく私の目を見た。

「何よ。どうしたの?何か怒ってるの?」

「…あんまり話すな。誰が聞いてるか解らないだろ」

「は?なにそれ!家の中の会話を誰が聞くのよ!今日の克哉は変よ!」

「うっ!ん!こらっ…!」

私は彼に無理矢理キスをした。

どうして?
何でそんな態度なの?
キスをしたらきっといつもみたいに『ばぁか』って言うでしょ?
そうよね?


だが克哉は私を突き放すように身体を押した。私は彼のお腹の上に座ったまま呆然とする。

「やめろよ。言っただろ?疲れてるんだって」

意味が分からない。
どうしてそんな風に突き放すの?


「克哉…?」

「寝ろって。いい加減にしろ」

それだけ言うと克哉は目を閉じた。


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