私たち、政略結婚しています。


この人は…一体何なの?
調べていたの?

…でも、分かるような気もする。
愛する人を待つ身としては、安心できる材料が不可欠だ。

「ねぇ、あなた、私に言う事があるでしょ」

「え?」

私は首を傾げた。
彼女は立ち上がって私を見下ろす。

「分からないの?バカな女ね。
迷惑をかけたら詫びるんだって、親に教わらなかったの?」

笑顔が消えて、声が太くなった彼女を見上げる。

「謝りなさいよ。私と克哉を苦しめて。

あんたがいたから迷惑したのよ。

……土下座して許しを乞いなさいよ」


「…え?土下座?」

彼女の言っている意味が分からなかった。



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