私たち、政略結婚しています。


どちらからともなく口づけると、次第にそれは言葉の代わりとなって激しくなっていく。

足りない。
まだ。

もっとお前を感じたい。

「ん、んんっ…!」

佐奈の口からこぼれる吐息が俺の欲望を更に強くする。

お前は俺のものだ。
どこにも逃がさない。

もっと俺を好きになれ。
俺なしでは生きていけない弱い女になって一生俺の側にいてくれ。

舌で佐奈の中をまさぐる。
雨が身体を冷やしても、この情熱までは消せやしないだろう。


どしゃ降りの中、俺達はお互いの体温と、これまで隠し通してきた愛だけを感じていた。



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