私たち、政略結婚しています。
「着いたぞ。降りて」
しばらく車に揺られて、喚き疲れた頃に着いた場所は郊外の写真館だった。
「何?こんなところに何があるのよ」
「今から結婚写真を撮るから。二時間しかもらってないから急ぐぞ」
「結婚写真?!」
何が何だか本当に分からない。
克哉のすることに振り回されて怒り狂う自分。
私は何だか可笑しくなってきた。
「……ふっ……」
笑いが、堪えようとすればするほどに込み上げてくる。
「あは……っ。あははははっ」
突然笑い出した私を克哉はギョッとして見た。
「何なの、本当に。あはははっ。
もう、やめてよね」
いつもこう。
お互いを振り回して、疲れてる。私たち夫婦はきっと世界一相性が悪い。