私たち、政略結婚しています。
電撃発表!!
――「佐奈。入るぞ」
純白のタキシードに着替えてドアをノックする。
結婚式までこんな格好はするつもりではなかったが、事情が変わったのでやむを得ない。
「いいよ」
中から声がしたのでドアを開けた。
お互いにお互いを見て笑いが込み上げた。
「ぶっ……」
佐奈は真っ白でタイトなミニスカートタイプのウェディングドレスに、床まで裾が届きそうなレースのベールを被って笑う。
照れてしまい「綺麗だ」なんて言えない。
照れ隠しに笑うだけだ。
「七五三みたいよ」
「お前もな」
彼女を見ながら思う。
こんなに綺麗で愛らしい花嫁は他にはいないと。
目が眩むのは、白が眩しいからではないだろう。
「合格。そのレベルなら俺の隣にいても違和感ないな」
「偉そうに。自惚れ屋。
ミニスカートじゃないと嫌だなんて克哉が我が儘言うから着たのよ。足を出すのは恥ずかしいのに」
佐奈は笑うのをやめて口を尖らせた。