私たち、政略結婚しています。
その瞬間、背中からドンッと押されて私の身体はベッドに前倒された。
「きゃ!!」
驚いて後ろを振り返る。
「出て行くだと…?そんなことが許されると本気で思っているのか?」
克哉が私を見下ろしている。
「許されるだなんて…!私はあんたのためを思って…!」
「それが俺のためになることだと何で思うんだ!」
突然彼が、私の唇を塞いだ。
「ん!!」
息苦しさに口を開く。
すると彼の舌が私の中にぐっと入ってくる。
「克…!」
どうして?何が言いたいの?
私がいなくなれば彼女とやり直せるじゃない。
意味のないボランティアを終わらせることができるのよ…!
そう思っているのに。
…私は、気が付けば…。
彼の首に腕を巻きつけてそれを受け入れていた。