私たち、政略結婚しています。
佐奈はしどろもどろになりながら笑ってみせる。

「…俺にどうしろって言うんだよ」

俺は佐奈を真上から見下ろした。

「あ…、私…」

そのままゆっくりと俺も座り込んだ。

そんな俺を間近で見つめる瞳は、涙に濡れたまま躊躇いの色を浮かべている。

「嫌い…なんだろ」

「え…、あ…」

「気持ち悪くて…耐えられなかったんだろ」

「あの…」

キョロキョロと俺から視線を外そうと動く目を、じっと見つめる。

「離婚…して、やり直したいんだろ?」


「んっ!!」

言いながら、彼女の唇を塞いでいた。

「や…っ!」

俺を押しのけようと伸びてきた手をグッと捕らえる。

「克…!」

開いた唇の隙間から舌を滑り込ませ絡める。

「んんー…」

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