私たち、政略結婚しています。
政略結婚…ではないはず?
***
警察署を出た瞬間に立ち止まり佐奈の方を向いて言う。
「お前は本当にアホだな。何で俺に言わなかった?」
「え」
彼女はきょとんとした顔で俺を見上げた。
「旦那のいる女にストーカーだなんて。警察で俺の立場がなかっただろうが」
「は。何がよ」
「格好悪くてあり得なかったっつうの。恥かかせやがって」
俺が言うと彼女はみるみると怒りを顔に表し始めた。
「あんたは私の心配よりも自分の立場なのね!よく分かったわ!私の選択が間違っていたことが!」
「は。何言ってんだ」
「あんたなんかと結婚したことは一生の不覚だってことよ!」
佐奈は足をジタバタさせながら怒り狂っている。
俺はそんな彼女を見ながら目を細めた。
「はははっ。言ってろ。もっと怒ってみろ。写メるから。その怒りに燃えたバカ面を会社の皆に送り付けてやる」
「最低!今日のご飯はカップ麺にしてやる!」
「ぎゃははは!ウケる。怖い仕打ちだな。じゃあせめて麺の種類は選ばせてくれよ」
わざと怒らせるような言い方で彼女を挑発する。
「もうご飯作らないからね!悔しい!」
だけど初めに言ったことだけは本心なんだが。なぜすぐに俺にストーカーの事を言わないんだよ。
半月も付きまとわれていただなんて、自分に腹が立ってしょうがねぇよ。どうして気付けなかったんだ。
どれだけ怖い思いをしたのだろうか。誰にも言えずに一人で悩んでいたんだな、きっと…。
「……怖かったな。無事で良かったよ。置いていって、ごめんな」
彼女の頭を軽く撫でる。
「………ばかぁ…最低…」
佐奈はその目に涙を溜めながら俺を見上げていた。
警察署を出た瞬間に立ち止まり佐奈の方を向いて言う。
「お前は本当にアホだな。何で俺に言わなかった?」
「え」
彼女はきょとんとした顔で俺を見上げた。
「旦那のいる女にストーカーだなんて。警察で俺の立場がなかっただろうが」
「は。何がよ」
「格好悪くてあり得なかったっつうの。恥かかせやがって」
俺が言うと彼女はみるみると怒りを顔に表し始めた。
「あんたは私の心配よりも自分の立場なのね!よく分かったわ!私の選択が間違っていたことが!」
「は。何言ってんだ」
「あんたなんかと結婚したことは一生の不覚だってことよ!」
佐奈は足をジタバタさせながら怒り狂っている。
俺はそんな彼女を見ながら目を細めた。
「はははっ。言ってろ。もっと怒ってみろ。写メるから。その怒りに燃えたバカ面を会社の皆に送り付けてやる」
「最低!今日のご飯はカップ麺にしてやる!」
「ぎゃははは!ウケる。怖い仕打ちだな。じゃあせめて麺の種類は選ばせてくれよ」
わざと怒らせるような言い方で彼女を挑発する。
「もうご飯作らないからね!悔しい!」
だけど初めに言ったことだけは本心なんだが。なぜすぐに俺にストーカーの事を言わないんだよ。
半月も付きまとわれていただなんて、自分に腹が立ってしょうがねぇよ。どうして気付けなかったんだ。
どれだけ怖い思いをしたのだろうか。誰にも言えずに一人で悩んでいたんだな、きっと…。
「……怖かったな。無事で良かったよ。置いていって、ごめんな」
彼女の頭を軽く撫でる。
「………ばかぁ…最低…」
佐奈はその目に涙を溜めながら俺を見上げていた。