私たち、政略結婚しています。


「…知らないよー…」

秋本くんはポツリと呟くと私をさらに引き寄せて身体をくっつけた。

「と言うわけで!邪魔しないでくださいね~!途中でいちゃつくかもですけどー!」

秋本くんの言葉に皆はヒューヒューと私達をはやし立てた。


その時、克哉と目が合う。

彼は何も言わずに冷めた目線をこちらに向けている。

私は耐え切れずにフッと目を逸らした。


何もかもを見透かしたような、澄んだ瞳。

お願いだからもう、このまま私を見放して。そんな目で私を見ないで。
これ以上私に嘘をつかせないで。

これ以上嫌な女になりたくないの。
あんたをようやく諦める気になっているの。
私の気が変わる前に、このまま彼女の元に戻って。

克哉と離れたくはないのだと、すがりつきたくなる気持ちが現れる前に…!

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