【完】イジワルな君と同棲(仮)中っ!
「…望未」
カバンを手に取り教室を出ようとしたあたしに
声をかけたのは今部活中のはずの
千里だった。
「…何してんの?」
「え?」
「何、大毅に抱きしめられてんの?」
えっ!?
見られたっ!!!
「…なんで嫌がんなかった?」
…嫌だった。
嫌だったけど、堤くんの気持ちが
あたしにスッと入ってきたから…
突き放せなかった………
「…ごめん…ほんとにごめんね…」
「…俺、嫌われたかと思った。」
「え?」
「もう、乗り換えたのかと思った………」
とあたしの肩におでこを乗せて
少し甘えたような声になった千里。
「…バカ…そんなわけないでしょ…」
そんな千里が可愛くて、
あたしは千里の頭を撫でた。