【完】イジワルな君と同棲(仮)中っ!





「…望未」


カバンを手に取り教室を出ようとしたあたしに
声をかけたのは今部活中のはずの
千里だった。


「…何してんの?」


「え?」


「何、大毅に抱きしめられてんの?」



えっ!?



見られたっ!!!



「…なんで嫌がんなかった?」



…嫌だった。


嫌だったけど、堤くんの気持ちが
あたしにスッと入ってきたから…


突き放せなかった………



「…ごめん…ほんとにごめんね…」


「…俺、嫌われたかと思った。」


「え?」


「もう、乗り換えたのかと思った………」



とあたしの肩におでこを乗せて
少し甘えたような声になった千里。



「…バカ…そんなわけないでしょ…」



そんな千里が可愛くて、
あたしは千里の頭を撫でた。




< 140 / 443 >

この作品をシェア

pagetop