【完】イジワルな君と同棲(仮)中っ!
だんだんと観覧車は
頂点に向かって上がっていく。
それでも、まだ沈黙は続いたまま。
……観覧車で、沈黙すると
しんどいよね………
「……あ、あの。千里……?」
「……んあ?」
「さっきふ、震えてたけど大丈夫なの……?」
あたしがそう聞くと
千里は肩をびくっと震わせた。
「べ、別に……」
「何隠してんの?」
「別に隠してない…よ!き、緊張してたんだよ!」
千里は半ばヤケクソにそう言った。
「ふふっ……」
「わ、笑うなよ!」
顔を真っ赤にするほど
あたしと2人になることに緊張してくれていたんだ。
「……ごめん…でも、…う、嬉しくて………」
はー“嬉しい”なんて
いつもならスッと出るのに、
………言葉に詰まっちゃったよ