【完】イジワルな君と同棲(仮)中っ!





「そしたら、父さんは黙っていたけど、
母さん、なんて言ったと思う?」



とははっと苦笑いをして言った。



「……な、なんて言ったの…?
お母さん……」



あたしは静かに聞いた。



「……そんなことできるわけ無いでしょ?
忙しいのに。ってさ。
俺のわがままをあんな簡単なわがままを
“そんなこと”で片付けたんだよ…」



千里はニッコリ微笑んでそう言った。



“俺のわがままをあんな簡単なわがままを
そんなことで片付けたんだよ…”




その時の千里はどう思っただろう。



辛かったんじゃないのかな。
それなのに、


笑って言うなんて………



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