【完】イジワルな君と同棲(仮)中っ!
もうすぐ、千里のお母さんの乗った飛行機が到着する。
千里は、やっぱり落ち着かない様子で、
椅子にも座らず
ウロウロしている。
「…千里……?そんなに、心配しなくても大丈夫だよ…?」
「…べ、別に心配とかしてねぇ…よ!」
「ふふ」
「な、何笑ってんだよ!ここでキスすんぞ!」
そう言ってあたしの後頭部に手を回した千里。
「良かった。いつもの千里ね?」
あたしはいつもの千里に戻ったことにホッとした。
あたしがそう言うと千里は、
落ち着きを取り戻したかのように
あたしの横に座った。
それでも、膝に置いた千里の手は
震えている。
あたしはそっと、千里の手に
自分の手を重ねて握った。