【完】イジワルな君と同棲(仮)中っ!
「………あ。」
突然立ち止まり、そんな声を出した千里。
「…千里?」
「母、さん…父さん…」
「…千里………」
会えた。
千里が…今、千里のお母さんとお父さんに会えた。
チラッと千里の方を見ると
千里の目には涙が浮かんでいた。
「………母さん…っ、ごめんなさいっ」
千里は涙をこらえつつ、
腰を折り曲げて頭を下げて謝っていた。
千里が頭を下げたおかげで千里の後ろにいたあたしが、
千里のお母さんとお父さんと目があってしまう。
だからあたしも、千里と同じように頭を下げた。
「……私の方こそごめんなさい。」
「千里、すまなかったな。」
千里のお母さんとお父さんはそう言いながら
千里に近づき千里の事を抱きしめた。