【完】イジワルな君と同棲(仮)中っ!
そしてすぐに千里はあたしの作業を手伝ってくれた。
だから思ったよりも早くに終わった。
「…手伝ってくれてありがとね…
助かったよ……」
「なんかお礼してよ」
「へ?」
机の上を整頓していたときに
突然“お礼してよ”なんて言われて
間抜けな声が出てしまった。
「……お礼…?」
「うん…俺と一緒に文化祭回ろう?」
と、千里はあたしの両手を取り
握って言った。
あたしはなんの抵抗もできないまま、
コクンと首を縦に振っていた。
「じゃあ、行こう」
とあたしの手を引っ張り歩き出す千里。
「あ、待って!チラシ届けなきゃ…」
「どこに?」
「入り口に立ってる案内する人達に届けなきゃいけない」
「ん!行こ!一緒に」
そう言ってまた歩き出した千里の後ろをあたしは
ちょこちょことついていった。