【完】イジワルな君と同棲(仮)中っ!
「………っくっ」
教室に近づくに連れ、嗚咽が聞こえてくる。
誰かが泣いている………
あたしは静かに廊下側の窓を覗いた。
「……っ!」
あたしは驚いて思わず口を両手で塞いだ。
拓海がうずくまり泣いていたから。
あたしはすぐに分かった。
拓海の泣いている理由が。
きっと、実果ちゃんに告白をしたんだ。
それでもうまく行かなかったんだ………と。
あたしはそんな拓海に声をかけることができなかった。
ただ、教室の扉に隠れ、
拓海の嗚咽を聞きながら
立ち尽くす事しかできなかった。