【完】イジワルな君と同棲(仮)中っ!
「………実果に言われたんだ。
好きだから付き合ってほしいって言ったら。
『拓海くんはすごくいい人……だけど、
好き……とか分かんなくて……』って。」
実果ちゃんは気づいていないだけだと思う。
「…そっか…あたしは…ね?
拓海、無駄に背が高くて、おちゃらけてて。」
「うぇ、お前言うなっ……はは」
「でもね?優しくて、相談も乗ってくれるし、
的確なアドバイスしてくれる。」
「…それは“いいヤツ”なんじゃねえの?」
………そうか……
拓海に言われて気づいた。
これ“いいヤツ”なんだ。
「…ごめん…あたし…」
「いや、オレこそゴメンな?
お前、自分たちのことで精一杯なのに、
こんなこと言っちまって……」
拓海は無理に笑顔を作り
あたしに笑ってみせた。
今にも泣き出しそうな笑顔で………