【完】イジワルな君と同棲(仮)中っ!
「行ってきます!」
「うん…!頑張ってね!
行ってらっしゃい千里……」
卒業式も終わり、
受験の前日、千里は大阪に旅立った。
あたしはただ、玄関で千里を見送ることしか出来なかった。
新幹線の場所まで送ってあげられれば
良かったんだけど、
泣いちゃいそうだったから………
だって、千里は今日からこの家には戻らない。
もう、新しい生活が始まるんだもん……
「……じゃあな!望未!!」
「……う、んっ!!」
あたしは涙を見せないように、
笑って、手を振った。
千里が曲がり角で見えなくなるまでずっと。