隠し事があるんです。【短】
話しちゃおうか。
「なあ、いつになったら話してくれるんだ?」
私の隣で歩いているジンがそう言った。
ジンの背は170センチより少し高く、髪は茶色。
街はすっかり白一色。
私もジンもマフラーと手袋を完全装備。
大学2年生の私と彼は、付き合って1年をとうに超えている。
大きく暖かい彼の手を握りながら、彼の言葉に耳を傾ける。
「確か1年前くらいにさ、『付き合って1年経ったら秘密を話す』とか言ってなかったか?もちろん、由新(ゆに)の秘密だぞ?」
「う…まあその時はその時で」
はあ、とため息をつきながら私の手を強く握ってくる。
その握られた手を、また握り返す。
握り返して、握り返される。
その何度も続く単純な行為が嬉しい。
私の隣で歩いているジンがそう言った。
ジンの背は170センチより少し高く、髪は茶色。
街はすっかり白一色。
私もジンもマフラーと手袋を完全装備。
大学2年生の私と彼は、付き合って1年をとうに超えている。
大きく暖かい彼の手を握りながら、彼の言葉に耳を傾ける。
「確か1年前くらいにさ、『付き合って1年経ったら秘密を話す』とか言ってなかったか?もちろん、由新(ゆに)の秘密だぞ?」
「う…まあその時はその時で」
はあ、とため息をつきながら私の手を強く握ってくる。
その握られた手を、また握り返す。
握り返して、握り返される。
その何度も続く単純な行為が嬉しい。
< 1 / 11 >