隠し事があるんです。【短】
「うっわー!すっげーな!」

 興奮気味でジンの何倍もの高さのツリーを見上げる私たち。
ライトアップされたツリーは輝き、黒い空によく映えてとても綺麗。

 ジンは子どものようにはしゃぎながら、両手で万歳をしている。
こうやってジンとツリーを見るのはこれで最後かもしれないと思うと、泣けてくる。


「ちょ、なに泣いてるんだよ?綺麗だから感動したのか?」

「……ううん」

「なんだよ、泣くなんて由新らしくないぞ?」


頭をぽんぽんとたたいてくるジンは、本当にかっこいいと思う。


「あのね……、笑わないで聞いてほしいの」


「……ああ」

 真剣な雰囲気に気がついたのか、ジンまで真剣になる。
ジンの黒く透き通った瞳。
 私をしっかりと捉えていて、私が動けばジンの目の焦点も動く。
その瞳が、余計怖い。


 でも、言わなきゃいけない。
どの道ばれることなんだ。


大きく息を吸い込んで、冷たい雪が体に入る。
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