隠し事があるんです。【短】
「え……?」


 さっきまで私を捉えていたジンの瞳は上下左右に揺れ動く。信じられないといった様子。


 そうだよね、ごめんね。
会った時に話しておけば、不安が膨らむ必要はなかったのかな。
 違う。むしろ、私がこんな感情なんて抱かなければよかったんだ。


「男となんて、付き合いたくないよね」

 私はジンとこのまま2人でいたいよ。

 この胸まである長い髪も、大きなパットを胸に入れたのも、ヘアアイロンで一生懸命髪をアレンジしたのも、全部、ジンのため。

 ジンに抱いちゃいけない感情を抱いたのは私。
 ジンは私を女だと思って付き合ったんでしょ……。

 まあ、疑う要素もないか。

 男と男なんて、もう、絶望的だ。
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