林檎が月をかじった夜に

ぶきみな歌





 どこからか、歌が聞こえてきます。




「山が吹雪を起こすぞ、海が火を吹くぞ。おいらたちの出番さ!

昨日のおやつは何だった。馬鹿な子供!

明日のおやつは何だろう。賢い子供!

今日のおやつは何だ!

夜更かしの子供!

はだしの子供!

パジャマの子供!

銀色の長い髪の女の子!

猫と一緒の女の子!

おいしそうな女の子!


それ太ももは二本だけ!

さあ頭は一つだけ!」





 なんということでしょう。

雲の陰から、恐ろしい歌い手たちを乗せた大きな帆船が、のっそりと出てきます。




ホブヤー妖精です。
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