林檎が月をかじった夜に

ホブヤー戦





 エンは震え上がって、モヘをしっかり抱きしめます。



「ホブヤー妖精よ。まあ、なんて恐ろしい歌をうたうのかしら。まるで、私を食べようとしているみたい」



その通りなのです。ホブヤー妖精たちは、エンを食べてしまうつもりです。




 船がどんどん近づいてきます。


ホブヤー妖精たちが押し合いへしあいして、エンに向かって手を振ります。



「やあやあ、

美味しそうなお嬢さん!

きれいな夕ごはん!

どうかそのまま起きていて。

ぼくらが君を食べるまで!」




 その姿の恐ろしいこと。


体は人間の子供のようなのに、
顔は魚かカエルのようです。




あんなものがたくさん襲いかかってくると思うと、エンは気絶してしまいそうでした。
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