林檎が月をかじった夜に
りんごの心
ホブヤー妖精がいなくなったところから、何かが飛び出してきました。
月を食べたリンゴです。
リンゴは逃げるどころか、エンとモヘの小船に転がりこみます。
「やあ、助けてくれて、ありがとう。ホブヤー妖精の、おやつにされるところだったんだ」
すかさず、エンが答えます。
「助けに来たわけじゃないのよ、欲張りなリンゴさん。あなたが食べたお月さまを、返してもらいに来たの」
すると、リンゴは泣きだしてしまいました。