俺様天使と小悪魔ちゃん
願い事を1
私たちにとって人間の世界の時間はあっという間。
愛羅ちゃんにまた見られないように念入りに結界を組んで翔くんとともに彼の家族を見守っていた私たち。
翔くんの体はそれからほどなくして荼毘にふされ、骨だけがちいさな木の箱に大切に収められて翔くんの家に帰ってきた。
翔くんのお母さんは翔くんが死んでからずっと、その亡骸から離れようとせず、ほとんど飲まず食わずだったし、寝ようともしなかった。
「翔がさみしがるといけないから」
と言って。
だからか、木の箱をそっと遺影の横に並べたかと思うと、気を失うかのように倒れてしまった。
ほとんど言葉を発せずにずっとお母さんに寄り添うようにして漂っていた翔くんも、思わず
「ママ!」
と叫んだし、周りにいた翔くんのお父さんや愛羅ちゃんは駆け寄ってお母さんの体を支えた。