俺様天使と小悪魔ちゃん



「おい、翔」

「…なぁに?てんしのおにいちゃん」

「お前、愛羅や
 母親の近くに行きたいか?

 お前の声が二人にちゃんと届いて、
 その手で二人をしっかり守って
 やれるようになりたいか?」

「っ!なりたい!!」


そう言うと、翔くんはスゴイ勢いでイサヤのところへ飛んできた。


「どうすればできるようになるの!?」

そんな翔くんに向かってイサヤがふわっと微笑んだのを見て、私の胸が突然ドキっと反応した。
な、なんだろう、これ?
胸がちょっと苦しいようなドキドキがどんどん大きくなるような…初めての感覚にものすごく戸惑っちゃった私。

完全にテンパってオロオロ。


「えっと、えっと…
 イサヤってばもともと黙ってれば
 ものすごくキレイな顔立ちだし、
 私はキレイなものには弱くって、
 だからきっと今もこんなに
 ドキドキしてるんだ。

 そう!きっとそう!
 私ってばイサヤの化け猫級の皮をかぶった
 笑顔に騙されそうになってるんだよ」


ふぅ〜、危ない危ない。


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