俺様天使と小悪魔ちゃん
「えっ?どういうこと?」
翔くんの声の方に目をやると、私に背を向けたままのイサヤの胸の辺りがぼやっと光っていた。翔くんの魂の光だ。
「翔、あいつの言うことに耳を貸すな」
少し苦しそうな息を無理矢理抑えつつ、イサヤが言った。
「坊主、お前はその天使が
お前をどこに連れて行こうとしてるか
知ってるのか?」
「どこって…?
どこにもつれてかないよね、
てんしのおにいちゃん?
おにいちゃんは
ボクが愛羅やママやパパのそばに
いられるようにしてくれるって
ゆったもんね?」
「本当にそうか?
そこの天使はうまいこと言って
お前を家族から遠く離れた
天国に連れて行こうとしてるんだ。
嘘だと思うなら聞いてみるがいい」
死神は淡々と話していたけれど、最後はなんだかせせら笑うような嫌な言い方だった。