俺様天使と小悪魔ちゃん
ドキドキ
「よーく見てみろっての。
俺があんなへなちょこ攻撃で受けた傷を
いつまでもそのままにしとくわけねーだろ」
そう言われつつ見てみると、傷口はおろか裂けてたはずのローブも、滲み出ていた血もすっかり綺麗になってて、元通りの純白のローブしか目に入ってこなかった。
「本当に大丈夫?
傷口はちゃんと塞がってるの?」
「俺は治癒呪文の強さもすごいの。
誰かさんと違ってほんとーに優秀だから。
なんなら脱いで見せてやろうか?」
イサヤがニヤッと笑って言ったけど。
いつもの私ならギャーギャー言い返しちゃうようなその意地悪でさえ、私を気遣って言ってくれてるようにしか見えなくて。