俺様天使と小悪魔ちゃん



でもそれよりも何よりも、イサヤは僕の想像もつかない状態に陥っていた。

彼の真っ白なローブは、今や本人のものらしき血で真っ赤に染まり、同じように彼の綺麗な顔や手も血だらけだった。

血の気が引いて青白い顔には血にまみれた金髪がべったりとくっついていて、どんな時も自信に満ち溢れていた瞳は固く閉じられ、苦悶の表情を浮かべていた。

今更報告を疑うわけじゃないけれど、さっと彼の全身に目を走らせても、やはり外傷らしきものは見当たらない。


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