俺様天使と小悪魔ちゃん



「おい、そっちをもっとしっかり押さえろ!」

「吸引機はまだか!?
 血が詰まると呼吸が確保できなくなる!!」

「急げ!!」

医師たちの怒号がより緊迫感を増す中、僕はなすすべもなく、文字通り入り口に突っ立っていた。

すると背後から、

「イサヤは?」

という、怒号にかき消されそうなメイちゃんの小さな呟きが聞こえた。



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