俺様天使と小悪魔ちゃん


「いえ、
 容態が悪くなったわけではありません。

 ミカエル様が手を施されて、
 イサヤ少尉のお体は今、安定しております。

 特に肉体に与えられたダメージについては
 今、完全に元に戻っておられます。

 ですが、ミカエル様がおっしゃるには
 イサヤ少尉が
 かなり強引に傷を塞いだがために
 死神の送り込んだ闇が体内に
 とどまってしまう結果となっているようで…」

それを聞いた私の喉からは、声の代わりにヒュッという息を吸う音だけが出た。

天使の体内に闇がとどまる…それがどんなに恐ろしいことか、悪魔の私にだって簡単に想像がつく。

逆の立場で言えば、悪魔の体内に光がとどまるってこと。



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