俺様天使と小悪魔ちゃん
見た目は小柄で華奢で、俺より背が低いから、いつも俺を見上げながら、顔を真っ赤にして怒る姿が俺には新鮮だった。
まだ新米の教師のくせに、他の教師が俺を腫れ物を扱うように接するのなんて無視して、他の生徒と同じように接してくれた。
特別扱いもせず、媚びもせず。ただ真っ直ぐに俺自身を見てくれていた。
だから俺も少しずつ心を開いていたんだと思う。
冷めきっていた俺の心に小さく留まる暖かな光。
俺にとって、マチアス先生はそんな存在だった。
でもある日、あの事件は起こった。