俺様天使と小悪魔ちゃん


〈イサヤの場合〉


俺にとってのメイの存在が特殊なことに思い至った時、馬車の扉が静かに開く音がした。

ゆっくりと目を開けて、開け放たれた扉の外を見る。

少し向こうから、息を切らして走ってくるメイの姿が見えた。

馬車の少し手前で何かに気づいて立ち止まるメイ。


でっかい瞳が馬車全体をガン見してる。


プッと自然に小さく吹き出してしまいながら、やっぱりな、と思った。
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