俺様天使と小悪魔ちゃん



「大丈夫!?」

女の子のそばまで行くと背中にそっと手を添えた。

「はっ、はぁっ、
 く、くすり…とって…」

苦しそうな息の合間にそう言われて

「薬!?どこにっ…」


慌てて部屋を見回す私の目の前に、すっと差し出されたのは白い錠剤が入った小さな透明のピルケース。
女の子はそれを奪うように手に取り、震える小さな手でふたを開けると、おもむろに中の錠剤をつかんで自分の口に押し込む。


私はなす術もなく女の子を見守るしかなかった。
数分して薬が効いてきたのか、苦しそうだった息も落ち着いてきて、顔色も戻ってきたみたい。


「よかった…」

ほっとして手から力が抜ける。
でも、そこに冷ややか〜な声が。

「なにが、よかった、だ、ばーか。
 なんにもよくねぇっての」





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