チェンジ type R
 私の背後からどこかで聞き覚えのあるような声が響いた。

「え? え!?」

(ここだ、お前の後ろだよ)

 声が指し示す方向――背後を振り返ってみたが……誰もいない。

――? ? ?

 頭の中が『?マーク』でイッパイになっている。
 声がした方向――私の背後には誰もいない。

 そりゃあ当然の話だろう。
 この部屋には朝から誰も入ってきていない。

 着替えをしている最中だってドアが開く音もしなかったし、いくら私がこの入れ替わりによって動揺しているとはいえ、さすがに誰かが部屋に入ってくればその音に気が付くだろう。

 でも……確かに背後から声は聞こえた!

 振り返った体勢のまま、視線を動かして部屋の中を見回す。
 ……が、やはり誰も居ない。
 この部屋の中にいるのは間違いなく私だけのようだ。

――空耳……?

 そう思いながら首を鏡の方に戻す。

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