チェンジ type R
――とりあえず、とりあえず自分の姿を確認しなきゃ!

 そう思って部屋の中を見回したんだけど……無いのよ!鏡が!
 自分の部屋に鏡が無いなんて信じられない!
 この部屋と身体の持ち主を思い切り罵倒したい気持ちを抑えながら目の前にあるドアを開けて鏡を探してみた。

 勢いって凄いよね、頭の片隅では『誰かと入れ替わってる』ってことを薄々感じてたんだけどさ、知らない家を歩き回って知らない誰かの家族に会っちゃったらどうしよう?
 そんなことはまるで頭の中に無かったわけで。

 運良くというか、幸いにというか。
 鏡のある場所に辿り着くまでは誰にも顔を合わさなかった。
 ちょうど玄関からすぐの場所に部屋があって、部屋を出たら玄関に置いてあった姿見の鏡が目に入って――。

「これ……誰?」
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