チェンジ type R
「顔……? 寝ぼけるのは良いけど叫ぶのは止めてよね」

 まだ怪訝な表情を見せてはいたものの、女の人は玄関から立ち去ってくれた。
 それを見送って、私もすかさずこの身体の持ち主の部屋に戻る。
 ずっとこの場所に居ると……また他の家族がやって来るかもしれないし!!

 危うかったけど何とかとりあえずの危機は脱することができた……ということもない!

 私がいきなり『隼人くん』と入れ替わってしまっているこの状況は何ひとつ変わってはいないのだ。
 こんな状況に陥ってしまった人間がなすべきこと――いきなりの変化に驚いて絶叫する、という行為は済ませてしまっているわけで。

――こうなってしまった人間はどういう行動を取るべきなのか?
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