チェンジ type R
――あのね、今は私のお父さんのことよりも、私たちが元に戻る方法を考えなきゃ。

 回りくどい方法はとらず、流れを本筋に戻すために本題をストレートに口にする。
 いや、お父さんのことを話題に出して、流れをズラしてしまったのは私なんだけどね。
 まさか隼人くんがここまで食いついてきて、大幅に話が脱線するとは思っていなかった。

(――お、おお。そうだよな)

 私の言葉に、ようやく隼人くんの興奮も収まったようだ。
 これで話も本筋に戻せる。

 とは言っても、話し合ったところで解決策が出るとは思えないんだけどね。

 それでも私のお父さんの話を延々と続けるよりは生産的だと思う。
 何の足しになるかは分からないけど、話さないよりは遥かにマシだ。
 少しでも、ほんの少しでも良いから元に戻るヒントを……。

 どうすれば、私たちがこんな状況になってしまったのかという理由が分かるだろうか?
 
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