チェンジ type R
 少し、冷静になって考えてみよう。

 私たち以外の第三者が入れ替わってしまっているからこそ、私のメールに対して『一体誰だ?』になるのではないだろうか。
 その人物も、いきなり『他人と身体が入れ替わる』という常識では考えられない事態に直面し、どうすれば良いか分からずに慌てているところに私の携帯電話が鳴った。
 少しでも現状を把握するヒントがあるかもしれないという期待を込め、届いたメールを開いてみると、私からの『大丈夫?』というメールだ。
 
 『このメールの主が何かを知っているのではないか?』と考え、藁にもすがるような思いで返信をしてきたのではないか?

――と、とにかく……もう一度メールしてみようよ!

(う、うん。そうだな)

 私にとっても、多少の疑問は残るが――このメールは少し良い報せでもあった。
 何といっても、自分の身体はちゃんと生きているという可能性が高くなったのだ。
 中に入っているのが誰か、という不安は残るものの、これで元の身体に戻れる希望がちゃんと沸いてきた。

――でも、本当に私の身体に入っているのは誰なんだろう?

 これから、その事を解き明かしていかなければいけない。
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