チェンジ type R
宛先:maria-17@xxmoweb.ne.jp
題名:真里愛です
本文:私はその携帯の持ち主です。
    私の携帯を使ってるあなたは一体誰なの?

 単刀直入に、こちらの知りたいことをメールに記しておく。
 きっと私の身体の中に入っている『誰か』は私と同じで混乱の極みにあるのではないかと思う。
 なので、ヘンに長いメールを送っても返信するのに書くことを迷ってしまう可能性が高いのではないだろうか。
 その辺りを考慮して――現在はとりあえず相手が誰なのかだけを確認。

 むしろ、現在こちらが知っておかないといけない事項が、相手が何者なのか。
 これに尽きると言っても良いだろう。

――メール送信……っと。

 送信ボタンを押して、メールが送信されるのを見届ける。
 その様子を見守っていた隼人くんに視線を向け、不安を紛らわすために隼人くんも答えが分からないであろう質問をしてみる。
 相手が何者かが分からない限り、何を議論しても進展は見込めないだろうし。
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