チェンジ type R
第七章
 これからの行動に光明が見えたところでタイムアップ。
 電車は目的地である駅に着いた。
 私が住んでいる所、光が丘だ。

 ここに来れば、さっきみたいに迷うことは無い。
 何せ小学校に入る頃からこの土地に住んでいるのだ、迷えと言う方が難しい。

 携帯がいつ鳴っても対応できるように、片手に携帯を持ったままで移動を始める。
 電車の窓のような反射するような物が何も無いので、隼人くんと相談しながら移動ということが出来ないのが心細いことではあるけど……贅沢は言っていられない。

 私の家まで、ここからバスで十五分程度の移動がある。
 そのバスの中で隼人くんと会話することも可能なわけだし。
 ここからバスターミナルまで移動して、それからバスに乗り込むまでの時間は私が考えることが隼人くんに一方通行で伝わるだけ、という事になる。

 というワケで、私の身体を使っている人から早くメールが来て欲しいような、でも隼人くんと相談しながら行動できるまでは来て欲しくないような――複雑な心持ちなのは確かだ。

 冷静に判断してくれる人と話せないというのは、本当に心細い。
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