チェンジ type R
 いや、元からワケの分からない現象が起こっている。
 ここまで来れば、もはや何が起こっても不思議ではないけれど……。
 いやいや、でも、でも……計算が合わない。
 さすがに単純な算数まで無視されてしまうと、さすがに対応さえ出来ない。

 非常識なら非常識なりに、せめて最低限の法則くらいは持っていて欲しいもので。
 事態が常識から外れるほどに……私の混乱も深くなるワケで。

 私の身体の中に隼人くんが入っているとするならば――ここに居る隼人くんは何者なの?
 ここに居る隼人くんが本物の隼人くんの霊だとするならば――私の中に入っている、メールを送ってきた隼人くんは何者なの?

 入れ替わったのが私と隼人くんの二人。
 そこに私の身体に入っている人物が居て……三人目。
 どうしても計算が合わない。

 私が居て、隼人くんが居て……また隼人くんが現れて。
 誰かが私の身体を使っているかも、という状況があって。その『誰か』が隼人くん……。
 でも、隼人くんは幽霊として私の傍にずっと居る。

 だからこそ、私は自分の身体が空き家になっているかもしれない、と焦っていたわけだし。
 メールの返信が来たことに驚きさえしたわけで……。
 それに加えて、そのメールの送り主が『隼人くん』って一体……!? 

 隼人くんが二人いる?何がどうなっているの?
 
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