中谷君、それはギャグですか?



「別に、バカにしてるわけじゃないから良いじゃないか。
筋トレ大好きな人?」


そうやって曖昧に濁そうとしたら、中谷君は急に真面目に見つめてきて。

あの時−−前の時みたいに何も言えなくなってしまう。




「筋トレ大好き?
ああ、その大好きに藤川さんも追加して下さい。

それと言いますけど、緊張しますよ?
……好きな人の家に上がらせてもらえたんですから」



「なっ…中谷君!」



なんてことを言うんだ!
って、え?
それで緊張って……



「やっぱり分かってくれてないんですね……この際だから言って差し上げましょうか?」



パッと中谷君を見れば、にっこりと満面の笑み。

まるで前が善人で
後ろ側が悪魔の尻尾がはえてるように見えるのは、私だけじゃないだろう……



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