中谷君、それはギャグですか?
「逃げるんですか。
また、今度もまた、あなた自身を傷つけて。
一番憎むように、憎まれる存在になって。
そんなの、あなたがつらいだけじゃないか……!」
……中谷君の目が、少し赤い。
はは、せっかくのイケメンが台無しだなぁ。
心なしか、中谷君、興奮してる気がするんだよな。
怒らせているのは、私……俺か。
−−−中谷君。
君は知らなくて良い。
知らないままでいて。
何で君は……いや君たちは………
「何を言ってるんだ、中谷君」
「俺は!中谷君じゃない!!!
今は、今だけは……−−−遠野だ」
「……遠野、くん」
「藤川さん……いや、藤さん。
−−−…一瞬でも、俺の母さんを愛してくれた時がありましたか?」
「…………愛してたよ。
一瞬じゃなかったよ。」