中谷君、それはギャグですか?



「−−−それはもう、したくない」



「ははは!随分偉くなったものですね。
−−−でも、俺の母さんはきっとそんなあなただから、好きになったんでしょうね」



中谷君は微笑む。
−−まるで、天使のようで。
女神のように、今なら罪の全てが許されるような、そんな甘くてとろける果実のような、女性なら虜になってしまうような笑み。



……でも私には相変わらず、悪魔に見える。




「だから−−−許してくれてますよ。
次に進んで下さい、そして俺を好きになって下さいよ……藤さん」



「中谷君、冗談は……」


「冗談でーす!」


「なんだ、冗談だっ……」



「まあ、違いますけど。
冗談っていうことが冗談ですが」



私が中谷君を睨み付けたところ、
中谷君は、ニヤニヤしていた。



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