中谷君、それはギャグですか?
「たぶん、そう思った…思えたのは、君のせいでおかげだ」
頼むから、今だけ。
起きないでくれ、中谷君。
このことは知らないでいてくれ、と思う自分がどこかでいる。
中谷君の顔にグッと顔を近づいて、軽く喰むように。
唇にキスを一回。
離した時、意外と厚いんだ……と、新たな一面を知る。
ーーきっと彼が起きて気づいていたなら、今頃、こんなんじゃ済まないんだろうな。
静かに眠る、安らかな寝顔の見せている中谷君の姿を見て、思う。
「……ありがとう」
髪をくしゃっと撫でながら、お礼の言葉を添えた。
……よし、お風呂に入るか。
逃げるように、お風呂場に行った。