中谷君、それはギャグですか?



「中谷君、起きたんだ」


声がした方向を見れば、ドアの近くについさっきまで考えてた原因の人がいた。
朝ごはん出来てるよ、とハニカミながら言う。


「わかりました……あっ、あの!」

「どうしたんだい?」


勢い余って、リビングの方に戻る藤さんを呼び止めてしまう。


「大事な話があります、食べてからいいですか?」


藤さんは、一瞬目を瞬かせて、少し考えるそぶりを見せて真面目な顔になる。


「……実は、俺の方からもあるんだ。奇遇だね」


え。
今度は、自分の方が驚いてしまった。


< 71 / 80 >

この作品をシェア

pagetop