中谷君、それはギャグですか?
「中谷君、起きたんだ」
声がした方向を見れば、ドアの近くについさっきまで考えてた原因の人がいた。
朝ごはん出来てるよ、とハニカミながら言う。
「わかりました……あっ、あの!」
「どうしたんだい?」
勢い余って、リビングの方に戻る藤さんを呼び止めてしまう。
「大事な話があります、食べてからいいですか?」
藤さんは、一瞬目を瞬かせて、少し考えるそぶりを見せて真面目な顔になる。
「……実は、俺の方からもあるんだ。奇遇だね」
え。
今度は、自分の方が驚いてしまった。