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中に入り入場券を購入して
エレベーターへ向かった



バクバク……



緊張とイベントへの期待と色んな感情が混じり合って

私の胸の中は大変なことになっていた



こういう時に限ってエレベーターに乗っている時間がものすごく長く感じる……



ーーチーン



イベントがやっている階へと到達し
エレベーターを降りる

入場券を受け付けの人に渡して
中に入る



このイベントは私の好きなエヴァが日本刀とコラボというイベントだった



コラボの刀を作った人の文みたいなものが壁に飾ってあって



「へぇ〜凄いねぇ……ね? 多田 」

「おう 凄いなぁ…… 」



私は "へぇ〜" なんて言いながら
実際一文字も頭に入っていない


それから
見るもの見るもの沢山の写真を撮った

初号機という名の紫のロボットの
とても大きなフィギュア
多田とそんなに高さ変わらなかったから
180センチほどかな……



「ねぇ! 多田! 写真撮ってあげるから初号機の隣行きなよ! 」


「あーおう! 」





すると不意に
フィギュアと同じポーズを取った多田
足を開いて少し曲げて……




私思わず吹き出しちゃって
なかなか写真を撮るのに手こずった


「はよせーや! 」

しびれを切らした多田が笑ながら言ってきたが…

目は確実に怒っていた…


イベント会場は思ったより小さめなのに、人が多かった




その中で1人腹を抱えてゲラゲラと
笑いに耐えられずにいた



さっきまで私が喋りかけたらようやく少し話すかな、なんて人が
いきなりそんな……




多田はなにがそんな面白いんだとばかりに私に



「はよ撮れやクソ 」


と言ってきたけど
それからというもの

顔を見れば思い出し笑いをし
かれこれ30分ほど経った














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